一級建築士設計製図試験 廊下係数は不要です。

試験勉強お疲れ様です。今回は設計製図試験でよく聞く「廊下係数」について個人の解説をしていきます。

設計製図試験の長期講座に通われている方や、短期講座まで独学をされている方はぜひ一度読んでいただきたいです。今年度学科試験を迎えられる方は、突破後序盤に説明がある単語になりますので、その時に再度読んでいただければと思います。

設計製図試験でよく聞く「廊下係数」とは

設計製図試験は、課題文にて延べ面積の範囲が指定されています。ここ2年の本試験では、延べ面積の指定が無く、指定容積率から計画可能な延べ面積を求める形がとられています。

また課題文には要求室が記載されていて、そのすべてを計画する建物に配置しなければなりません。その要求室は面積の指定もある部屋があります。「約50㎡」や「100㎡以上」「適宜」などと書かれています。

50㎡」は、資格学校では±10%までの範囲の面積で計画するよう教えられます。この場合45㎡から55㎡の間で計画しましょう。

「100㎡以上」の場合、もちろん100㎡以上の計画をします。200㎡でも問題はありませんが、後述するとおり100㎡ぎりぎりを目指して計画します。

適宜」は設計者(受験者)の判断で建築常識に反しない面積設定をしなければなりません。こちらも必要最低限で計画するといいでしょう。

各面積の設定が終わりましたら、要求室すべての面積の合計を求めます。その数値は延べ面積の指定が有る場合の面積または、指定容積率を掛けて求めた延べ面積よりも大きく下回る数値になります。

それは、この要求室の面積の合計には廊下、階段、エレベーターやホールなどの面積は含まれていないからです。

そこで廊下・階段・エレベーターなどの面積を加えて延べ面積の中に納まるか確認するかというと、そんな面倒なことはしません。ここで使用するのが廊下面積です。

要求室の合計面積に1.4や1.5を掛けた数値が延べ面積に収まれば計画できるだろうという概算をするものです。

部屋の面積に対して40%や50%分廊下などが必要だという統計から出てきたものだと思います。

若しくはその逆で、「延べ面積÷要求室の合計面積」から求めるパターンもあります。

その計算結果が1.4や1.5以上になるかどうかを確認します。

ちなみにこの廊下係数ですが、1.4を下回る1.3や1.2だとだいぶ計画が厳しくなります。若しくは計画できません。その逆で2.0を超えると余裕がありすぎて、謎のスペースができたりもします。

この廊下係数。廊下などの面積を自分で計算しなくても、ボリューム確認ができるから便利!と思われるかと思います。もちろんボリューム感を事前に調べるのは大事です。

筆者がいろいろな設計製図試験対策のサイトやブログ、ツイートなどを調べると、この廊下係数を何度も使用することがエスキスにおいては重要だという意見が見られます。

ですが、この廊下係数は不要です。使っても1回のみで十分です。

廊下係数が不要な理由

廊下係数の概要とそれを使う必要が無いことについて話しました。ここからはなぜ不要なのかについて話していきます。

まず計画する延べ面積についてです。課題文にて指定が有る場合は指定されている範囲の面積の上限を狙って計画します。

次に各要求室の面積設定ですが、全て最小限で計画します。もちろん40㎡以上といわれていて、6m×7mスパン(42㎡)であれば無理に面積調整する必要はありません。職員休憩室や更衣室なんかに40㎡も必要ないですよね。

この延べ面積を最大にして、要求室を最小にすることで、必ず各要求室はこの延べ面積内に収まります。

試験中に入らないんじゃないかと不安になることがあると思います。ですが本試験も予備校の講座にも必ず解答例が存在します。つまりこの延べ面積中にすべての要求室は最初から入ることはわかっているんです。入らないとしたら、要求室を大きく考えすぎていないか見直しましょう。

なので延べ面積を最大にして要求室を最小にしたときの廊下係数がいくらであれ、そこからどうすることもできないです。仮に廊下係数が2.0を大きく超えるようであれば少し小さめにしたり、適宜の部屋を大きく作ればいいだけです。

よって廊下係数は、要求室の合計面積が求まったら、一応延べ面積から廊下係数を求めて、1.5程度であれば普通に計画できるな。2.0であれば余裕ありそうだなと軽く捉えるだけで良いと思います。

設計製図試験はとにかく時間がありません。廊下係数を何度も確かめるよりは、延べ面積を最大に、要求室を最小にすることを考えておけば時間の節約になります。

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