今回は特定建築基準適合判定資格者、いわゆる「ルート2主事」について説明していきます。
筆者は持っていない資格になりますが、後述のとおり今年が3年に1回開催される講習の年ということでチャレンジしてみようと思い、まずは勉強がてらどういった資格なのかまとめてみました。
ルート2主事 特定建築基準適合判定資格者とは
特定建築基準適合判定資格者(以後ルート2主事)は、建築基準法第6条の3第1項ただし書き、法第18条第4項ただし書きに規定されている主事のことです。
構造審査が比較的容易にできるものとして許容応力度等計算(ルート2)の審査の場合、通常であれば構造計算適合性判定の対象となるところ、ルート2主事制度が設けられている特定行政庁や指定確認検査機関の場合は、構造計算適合性判定が不要になるという特例制度です。
この特例制度は平成27年6月1日の建築基準法の改正により設けられました。
また、建築基準法規則第3条の13第2項より、ルート2主事を置いている特定行政庁、指定確認検査機関はウェブサイト等に公表することが義務付けられていますので、実際に制度を利用する際は、ホームページ等を確認し申請前に問い合わせることをお勧めします。
ルート2主事になるための資格要件
ルート2主事の概要がわかったところで、どういった人がなれるのかまとめてみました。
規則第3条の13第1項より
一 構造設計一級建築士
二 構造計算適合判定資格者(構造適判の審査資格)
三 登録特定建築基準適合判定資格者講習を修了した者
四 国土交通大臣が定めるもの
と指定されています。
第一号は構造設計のスペシャリスト、第二号は構造適判のスペシャリストといった顔ぶれです。
第三号は、「一般財団法人日本建築防災協会」が国土交通大臣より登録を受け、講習の実施を行っています。
第四号ですが、同協会が平成26年に実施した、耐震計算ルート2の確認審査に関する講習会の修了者が該当すると認められています。
ルート2主事講習について
ここまでルート2主事の概要となるための要件が大まかにわかってきました。筆者含め確認審査部隊の人間が普通になろうとすると第三号のルート2主事の講習に参加し、修了考査に合格する方法が一般的かと思いますので、より詳細について書いていきます。
ルート2主事講習の受講資格について
ルート2主事講習を受け終了考査に合格すればなれると書きましたが、この講習自体にも受講資格が設けられています。
規則第3条の18第1項第一号より
「建築基準適合判定資格者であることを受講資格とすること」とあります。
建築主事でさらに知識及び技術を有するものとして指定を受けるわけですから、当然といっちゃ当然です。
また、建築基準適合判定資格者検定(建築主事試験)の場合は、一級建築士に合格していることが受験資格となっていました(免許証を持っていなくてもよかった)が、こちらは、申込時点で建築基準適合判定資格者であることが必要と正式に回答されているため、登録証の申し込みが必要です。
講習の開催について
ルート2主事は、一級建築士や建築主事試験と大きく異なるのが、開催についてです。
日本建築防災協会より、講習は3年に1回以上の頻度で開催することとされているそうで毎年開催ではありません。
過去の実施実績としましては
第1回講習 平成26年12月3日(水)受講者1179人 合格者443人 合格率37.6%(こちらは厳密には先述の第四号の講習会)
第2回講習 平成29年11月10日(金)受講者568人 合格者373人 合格率65.7%
第3回講習 令和2年11月16日(月)受講者342人 合格者183人 合格率53.5%
平成26年の改正ということと3年に1回ということで、歴史の浅い資格試験になっています。開催はここまでの傾向で言うと11月中旬ごろの平日に行われています。
第4回の講習ですが、前回の令和2年から3年経過するため今年、令和5年に開催すると思われます。昨年の情報で言うと、申込受付期間が8月31日から9月25日でした。
講習内容と修了考査・出題範囲について
講習内容は、規則第3条の18より、
イ 木造の建築物の構造計算に係る審査方法 40分以上
ロ 鉄骨造の建築物の構造計算に係る審査方法 40分以上
ハ 鉄筋コンクリート造の建築物の構造計算に係る審査方法 40分以上
とされていますが、実際の講習は各60分行われています。
令和2年の当日は9時40分から12時50分まで講習が行われました。
修了考査は、講習後14時15分から16時15分の2時間で、四肢択一式20問、記述式2問の計22問で、四肢択一式を計60点(1問3点?)、記述式問題を40点の配点で計100点として採点が行われたと公表されています。
合格基準点は過去2年間70点とされています。
まとめ
ここまで特定建築基準適合判定資格(ルート2主事)について資格の概要と、試験について調べまとめてきました。
筆者も今年受験予定ということで、過去問や、構造基準などを集めて試験勉強進めていきたいと思っています。
ここまでご覧いただきありがとうございました。