一級建築士 設計製図試験の時間配分と合格するための心構え

おはようございます。部屋を掃除したところ、設計製図試験勉強時代の資料が出てきましたので、一部みなさんのお役に立てそうなことを書いていきます。

試験時間と解く順番

設計製図試験は11時00分から17時30分までの6時間30分間で行われます。

一般的な解き方ですが

  • 問題文読み取り(30分)
  • エスキス(2時間)
  • 計画の要点(1時間)
  • 作図(2時間30分)
  • 見直しチェック(30分)

の順と時間配分で、解いてる方が多いと思います。

私は某S予備校の長期に通っていました。私のクラスだけかもしれませんが、計画の要点は最後に解いていました。

これは、短期生の場合エスキス作図に時間がとられ、計画の要点が空欄になる=0点(不合格)とならないために先に終わらせるという狙いです。(作図で最初に面積表を書くのと一緒です。)

長期生の場合、エスキス作図が確実に終わらせられる力を付けますので、最後に計画の要点を解きます。

これは、作図中にやむを得ず計画を変更した場合でも、それに対応した計画の要点を記入することができるからです。(短期の場合、作図後に要点を修正しなければならない)

合格するために必要な時間配分は

さて、一般的な時間配分について書きましたが、合格するためには先ほどのでは不十分です。

以前の記事でも書きましたが、試験元がどこで合否を分けているかが重要です。

1 まず問題文の読み取りですが、これはとても重要です。

要求を読み落とす、敷地条件を読み落とす、読み間違えただけで残りの6時間が無駄になります。その時点で不合格決定です。

2 次にエスキスです。これも重要なんですが、おそらく皆さんが思うほどは重要ではないです。

エスキスに時間をかけすぎない(細かいところまで気にしない)です。私は試験開始から2時間後にはエスキスプランを終えていました。

どこの講師も言うことだと思いますが、

・大きなメインとなる部屋を条件の良いところに。

・搬入経路や眺望、日当たりなどの指定に従う。

でだいたい埋まります。延べ面積を指定範囲の上限近くまで設定していれば、あとの小部屋関係は入らないわけないんですから、

細かい部屋を配置するのは1/400のエスキス完成図で検討すればいいです。

3つ目、計画の要点です。

先ほど1時間かけると書きました。そんなに普段かかってないよという方がほとんどだと思います。

受験生時にクラスでアンケート取ったところ40分~50分で解く人が多かったと記憶しています。

今は過去に出てきたことがある要点を自分の中のテンプレート通りに解いてるからその時間で終わっているだけかもしれません。本試験では必ずと言っていいほど新傾向の問題が出ます。

その保険としても1時間の時間は取っておいてください。時間は他で稼げますから。

4つ目、作図です。

先ほどは2時間30分と書きましたが、2時間で書き上げてください。

S校の短期生でもお盆の講習で全員2時間30分以内で書かされましたし、みんな書き上げていました。もちろん初めたてで、めちゃくちゃ汚い図面ですが、重要なのはどれだけ手を速く動かせば2時間30分以内に終わらせられないのかを体に覚えさせることです。

自分でエスキスをしておらず頭にプランが入っていない模範解答のトレースでそこまでできるんですから、エスキスで1時間以上頭に入れた図なら、より速く書けるのは当たり前です。

前回記事でも書きました。図面の綺麗さは合否に直結しません。2時間で書くスピードを手にしてから、少しづつ読みやすい図面にしていけばいいのです。

作図スピードアップ術

少し脱線します。作図スピードを上げる小ネタをいくつか。

使用するシャーペンは1本のみ

シャーペンは1本だけでいいんです。もちろん予備で同じものを用意しておきますが。この1本で補助線から躯体、家具、文字まで書きます。

使用していたのは0.7㎜の2Bです。筆圧高めの私で2Bなので、弱い方は3B、4Bと試してください。

いろんな作図テクニックを見ますが、補助線と躯体とペンを3本4本も変えてる人がちらほらいますが、持ち替える時間がもったいなさすぎます。

何度も言いますが、図面の綺麗さは合否に直結しません。

補助線はペンを斜めに、筆圧弱く。躯体はペンを直角に筆圧強く書くだけで、濃淡が生まれ見易くなります。

・45センチ三角定規を購入する。

45センチというと、A2製図版の短辺方向42センチを超える長さです。これが意味することは、補助線を一気に引けるということです。

たったそれだけにわざわざ買うの…と思われるかもしれませんが、1階2階の縦方向の基準線6,7本が一気に。断面図の切断面が一致すれば、断面図と3階平面の基準線も一気に引くことができ、それだけで下手したら1分は稼げます。設計製図試験の1分の大切さは、言わなくてもわかりますよね。

・テンプレート付き三角定規を使用する。

いわゆるバンコです。三角定規の内側にテンプレートがついているものです。

毎年毎年、使用禁止されている噂が流れますが、毎年使用できています。

とはいえ受講生側からすると怖いので、普通の三角定規とテンプレートも用意することになるんですが。

とにかく三角定規とテンプレートを持ち替える時間がなく、つまみもあるため機動性抜群です。

・シンプルな間取りにする。

具体的に言うと、廊下をまっすぐにする。小部屋を並べる、部屋を通り芯で区切るなどです。

廊下をまっすぐにしないと減点されるのか。という質問はよく出ます。ダメとは言いません。避難経路がクリアできればいいですし。

ですが、廊下をまっすぐにすると、作図がとても楽になります。廊下の壁を一気に書けます。どの通り芯で曲げるんだっけ?とエスキス用紙を見直す時間も減らせます。歩行経路の記入も計算も楽です。

小部屋も一回エスキスを見たら、それを連続で何個か書けばよくなります。

とにかく、エスキスを見る回数を減らすこと。手を止めないことが作図スピードを上げる手段です。

本題に戻ります。

4 最後の見直しチェックです。これが一番重要です。

合格するためには、課題要求に応えられているか。建築物として成り立っているか。の2点をクリアすれば必ず合格できます

さらに言うと

  • 6時間30分で終わらせること。
  • 一般的な建築の常識に反しないこと(法規違反をしない。各階の不整合がない。ホールがある。廊下がまっすぐなど)
  • 課題の要求に応え、それを表現する。

これらを守れば不合格にされる理由がありません。

そのためには、最終チェックにて、問題文を再度読み図面に漏れが無いかを確認する必要があります。

必要に応じて追記・修正をしますので、ここに1時間をかけてください

特に法規の漏れは一発アウトになりますので念入りにチェックします。

時間配分まとめ

以上を踏まえ私が実践していた時間配分がこちらです。

  • 問題文読み取り(30分)
  • エスキス(1時間30分)
  • 中間チェック(15分)
  • 作図(2時間0分)
  • 計画の要点(1時間)
  • 最終チェック(1時間)

の計6時間15分です。1時間のチェックをしながら15分の余裕があります。

実際の本試験では、おそらく50人ほどいた受験生の中で一番最初に作図に入りました。

さいごに

設計製図試験は採点基準が不明で、受かるかどうかわからない大変な試験です。

終わるかどうか不安にかられるよりも、この時間配分で、最終チェックを十分に行い、限りなく100%合格に近い状態で、試験を終えて結果発表を待っていただきたいと思います。

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